こんにちは。よしだ歯科クリニック、院長の吉田です。
5月になり爽やかな日々になってきました。
少し寒さを感じたり暑くなったりと
体温調節が大変ですが皆さまいかがお過ごしでしょうか?
寒さと言えばですが、
実はお口の中も環境も一日の中でも目まぐるしく変わります。
私たちが普段何気なく使っている「お口」は、熱いもの、
冷たいもの、酸っぱいもの、辛いものなど、あらゆる刺激に
さらされており、実は「過酷な環境」と言えます。
今回は、そんなお口の中を支える「唾液」の働きについて
お話ししたいと思います。
お口の中がどれほど過酷な環境か、ご存知ですか?
私たちの口の中は、毎日さまざまな刺激を受けています。
例えば、熱いスープや冷たいアイスクリーム、
酸っぱいレモンや辛いカレー、そして硬いせんべいなど。
これらが直接、歯や粘膜に触れることを考えると、
お口がどれほど負担を受けているか想像できるでしょうか?
さらに、歯ぎしりや食いしばりといった強い力が加わることもあります。
歯は体の中で最も硬いエナメル質に覆われていますが、
それでも長年の摩擦や力には耐えきれないことがあります。
また、年齢を重ねることで歯茎が下がり、
歯の根元が露出することで刺激を受けやすくなります。
こうした日々の刺激や負担は、口内炎や歯茎の腫れといった
トラブルを引き起こす原因にもなります。
しかし、そんな過酷な環境の中で、お口の中を守る
重要な役割を果たしているのが 「唾液」です。
唾液が担う驚くべき役割
唾液には、私たちが思っている以上に多くの働きがあります。
例えば、唾液に含まれる「ムチン」という成分は、粘膜を覆い、
保護する役割を果たします。
これにより、口の中の粘膜が刺激から守られ、傷つきにくくなります。
また、「ラクトフェリン」や「IgA抗体」といった成分には抗菌作用があり、
細菌やウイルスからお口を守っています。
さらに、唾液は食べ物をまとめ、飲み込みやすくする役割も担っています。
唾液が不足すると、食べ物がうまくまとまらず、
飲み込みにくくなることがあります。
また、唾液には傷を修復する力もあります。
例えば、誤って口の中を噛んでしまったとき、
傷が驚くほど早く治るのは唾液の力のおかげなのです。
唾液が減るとどうなる?
唾液の分泌量は「就寝時に誰でも減ってしまう」
という事はご存じですか?
朝起きたら口が乾いているという事を
感じる方も多いのではないでしょうか。
対策としては、就寝前のはみがきをしっかりして、
また、朝食後のはみがきも忘れずに行ってくださいね。
それとは別にストレスや加齢、禁煙やアルコールなどで
慢性的に唾液が減少することもあります。
唾液が減ると、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
● 口内炎ができやすい
唾液が粘膜を保護しているため、唾液が少なくなると傷つきやすくなります。
● 飲み込みにくくなる
唾液が食べ物をまとめる役割を果たしているため、
唾液不足は嚥下(飲み込む動作)を難しくします。
● 入れ歯がうまく吸着しない
唾液は入れ歯と歯茎を吸着させる役割もあります。
唾液が減ると入れ歯がズレたり、痛みが出ることがあります。
唾液を増やすためにできること
唾液の分泌を促すためには、いくつかの方法があります。
一つは「よく噛む事」ことです。
よく噛むことは唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。
これは消化を助け胃腸の負担軽減にもつながります。
また、唾液腺を直接刺激する「唾液マッサージ」も効果的です。
当院では、唾液マッサージの方法を記載したチラシを
ご用意しておりますので、どうぞスタッフまでお声がけください。
お口への感謝と定期健診のすすめ
唾液のおかげで、私たちのお口は健康を保つことができています。
お口の中は、まさに愛すべき「健康のパートナー」と言える存在です。
日々のお手入れに加え、定期健診でプロフェッショナルな
ケアを受けることで、その健康を長く保つことができます。
話しが長くなりましたので次回は、
さらにお口の中の「過酷さ」に焦点を当て、
被せ物や入れ歯のメンテナンスについてお話しします。
どうぞお楽しみに!