子どもとの絆を感じた瞬間 〜一本の飴が教えてくれたこと〜

こんにちは。よしだ歯科クリニック院長の吉田です。
こともし残りわずかとなってきましたね。
いよいよ2024年も締めくくりです。
今日は、診療の中で心が温まる出来事が
ありましたので、そのお話をさせていただきます。

先日、小学校6年生の男の子が治療に来てくれました。
彼は3歳くらいの頃から通ってくれている患者さんで、
初めて来た時はとても怖がりで、治療中に大泣きしてしまう
ことも多かったんです。
でも、そんな彼が少しずつ成長していく姿を、
ずっと見守ってきました。

今回の治療では麻酔を使った少し大がかりなものでしたが、
彼は最後まで頑張り抜きました。
治療が終わった後、私は「よく頑張ったね!すごいよ!」と
声をかけました。
お母さんにも「今日も本当に頑張りましたよ!」と
お伝えしたところ、彼がカバンをごそごそと探り始めたんです。
そして、手のひらに小さな飴を持って
「先生、これあげる」と差し出してくれました。

その瞬間、私は胸がじんと熱くなりました。
「いいの?自分のじゃないの?」と尋ねると、
彼は「いいよ、先生にあげる」とにっこり。
お母さんは「歯医者さんに飴なんて渡してごめんなさい」と
恐縮されていましたが、私は「とんでもないです!すごく嬉しいです!」と
お礼を言って、その飴を受け取りました。


この飴は、私にとってはただの飴ではありませんでした。
彼が私にくれたのは、信頼の形を表現してくれたこと。
そして、私には絆そのものだったのです。
怖がりだった彼が、何度も治療を乗り越える中で、
私を信頼してくれるようになり、
そして「先生に何かあげたい」と思ってくれた。
その気持ちが本当に嬉しくてたまりませんでした。

大人からすると、歯科治療は怖くない、
痛くない出来事かもしれません。
しかしそれは、私たち大人の世界での話で
子どもにとっては「何が起きるかわからない」
未体験な出来事だと思うのです。

私はこれまでに多くの子供の患者さんの成長を
歯科治療を通してみてきました。その中で、
「小さな未体験の出来事を体験し、
乗り越えた経験は自己肯定感や自信に繋がり、
歯科治療もその1つになる」
と確信するようになりました。

特に繊細で優しい子ほど、最初は泣いてしまうことも多いですが、
回を重ねるごとに少しずつ成長していく姿を見ると、
本当に感慨深いものがあります。

泣いていた子が、ある日泣かずに治療を
受けられるようになる。
その瞬間を目にするたび、
私は「この子はまたひとつ成長したんだな」と嬉しく思います。
そして、そんな成長の一端をお手伝いできることに、
歯科医師としてのやりがいを感じています。

今回飴をくれた男の子も、幼い頃から少しずつ
階段を上るように成長してきました。
怖がりながらも、毎回治療を乗り越えてきた彼は、
今では立派に小学校6年生です。
これからも色々なことに挑戦し、
たくましく成長していってほしいと心から願っています。

最後に、私は子どもたちを「ただの患者さん」ではなく、
一人の人間として接することを心がけています。
年齢や性別に関係なく、相手の気持ちに寄り添い、
信頼関係を築くことが大切だと考えています。
今回の飴は、そんな私の想いが少しだけ彼に
伝わった証なのかもしれません。
これからも、子どもたちと一緒に成長を喜び合えるような
歯科クリニックでありたいと思います。

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